今回は、「英語脳革命を起こす5つのステップ」のおさらいです。
日本語と英語のバイリンガルになるには、日本語だけで形成された脳内の情報網を一旦解体し(といっても日本語を忘れるわけではありませんが)、 英語の情報を入れ込み、最終的には英語に脳を支配させる必要があります。
そのためには、英語で情報を受信し(インプット)、英語で考え、英語で発信する(アウトプット)という作業を繰り返し行う必要があります。
まず第一ステップとして、「英語について英語で説明を受け、理解する」というプロセスに慣れなくてはなりません。英和辞典ではなく、英英辞典を使用し、日常から日本語をコミュニケーションに使い、日本語で考える時間を減らし、極力英語を楽しんで使ってください。
とはいっても、いきなりウェブスターやオックスフォードの英英辞典を使っていると眠くなってくると思いますので、まずは英語学習者用に出版されたLongman Dictionary of Contemporary English (6E) Paperback & Onlineなどをお勧めしますが、紙の辞書を買えばお金がかかりますし、持ち運びにも不便、その上引くのに時間がかかるので、オンラインのサイトの方がお勧めです。無料だし、パソコンやアプリから手軽に使用でき、辞書を引く負担を軽くします。
また、ロングマンに限らず、多くの辞書出版の大手は、無料のモバイル用アプリを配信していますので、使用してみてください。 『ソクラティック・コーパス』の約3500単語の意味がわかれば、英単語を英語の説明で理解できるように作られています。
繰り返しになりますが、英語脳を作ることを阻害するのは実は日本語なのです。英語を英語で理解することにより、日本語を一時的に脳裏から排除して、純粋に英語で情報をプロセス出来る様になります。
レベルが上がってくると英語の夢を見たり、英語で寝言をいったりするようになります。ただ、最初の数カ月は人によっては若干ぎこちない作業です。これは当然です。これまで慣れ親しんだ自由自在に使える母語である日本語を一切断ち、ボキャブラリーがまだ足りない英語だけを使おうとするのですから。
幼稚な言葉を使っている自分に怒りを覚え、覚えの悪い自分に失望し、何度も、「ああ、自分は語学の才能がないから永久に英語なんて使えるようにならないんじゃないか」とか、「かっこ悪い。もうやめてしまいたい」 と何度も思うかもしれません。僕も実際に何度も思いましたし、正直英語恐怖症にもなりました。
でも、やめるのは簡単です。やめたとき、これまで投資した努力が無駄になります。「損切り」は儲けの可能性がないときこれ以上の出費を止めるために行いますが、苦労の先には必ず「報酬」があります。
僕の場合はアメリカにいた頃、人一倍虚栄心や自己顕示欲が強く、エゴの塊のような人間だったので、常に 自分に対して怒っていました。今思えば、もっとリラックスして、気長にやっていれば、もっと楽だったのに、と思います。
でもみなさんの場合は心配することはありません。ここは日本です。いつでも日本語の世界に戻ることができますし、しばらく充電してからまた冒険に出かければいいのです。辛くなったら、自分の目標を思い出し、夢を達成した自分の姿をもう一度思い描いてください。またマグマのように血が湧いてくるはずです。 このパワーがある限り、あなたの前進は誰にも止められず、いつか必ずその先にあるゴールに辿り着きます。
今日から、できれば一日50単語ずつ暗記し、2ヶ月半で80%の意味が理解できることを目標としてください。時間がない人は、もっとゆっくりのペースで構いません。100%ではなくあえて80%としたことには理由があります。日本人はとかく 完璧主義なので全部丸暗記しようとしますが、人間には得意な単語、覚えやすい単語というものがあり、それは個人によって違います。ビジネスなどでよく使われるパレートの8:2の法則はここでも当てはまります。覚えやすい80%の単語は、すべての単語を覚えるのにかかる時間全体の20%で覚えることができると言われています。
これは受験勉強ではないのです。残りの20%を覚えるのにかかる80%の時間と労力を 節約し、ゆとりを作ることによって、余計なストレスが生まれず、「100%理解しなくても重要な80%を理解できる」状態で少しずつレベルを上げて行った方が、短期間でより効率的に学ぶことができることがわかっています。
ただ、日本人はこう聞くと抵抗を示す場合が多いと思います。「いや、自分は100%理解しないと気が済まない」という声が聞こえてきそうです。ですが、まずはその考えを捨てることが、これから英語を習得していくのに必要な「柔軟性」を養う第一歩となることを認識してください。
そして最後に、語学に必要なものは以下の通りです:
- 自分の中でこれまでの常識を悉く塗り替えていく柔軟性(flexibility)
- 新しいものに興味を持ち、未知の世界を「知りたい」と思える好奇心(curiosity)
- 目的達成のために爆発的なパワーを出す炎のような情熱(passion)
- それを継続燃やし続ける継続力(perseverance)
この4つが、言語学習に必要な素質だと思います。要するに、継続して「楽しい」と思えることです。
そしてそれらの能力は、もって生まれたものではなく、自分の意識を変えるだけで、今日にでも手に入れることができます。
脳内で、英語を拒絶する日本語を(実力行使で)英語と和解させよう