シャイネスは出世の大敵
英語など言語の習得や、会社でマネジメントのポジションに上がるためのリーダーシップ、カリスマ性、果ては恋愛や結婚までも、照れ屋である事は、日本人にとって、特に日本人の男性にとっては大きな障害です。
英語学習では、かっこ悪く見られたくない。バカだと思われたくない。だから得意の日本語でしか話さない。
失敗したら恥ずかしい。イタいヤツだと思われたくない。だからリーダーの役割を買って出ることをしない。
上司に嫌われたくない、だから大事な進言をしない、大事な報告をしない。
振られたらいやだから、好きな異性に対して積極的になれない、だから気持ちだけが募って、苦しくなる。耐えきれなくなってアプローチしたはいいが、怖いから自分の意見が言えない。そして気持ち悪がられる。そしてさらに落ち込む。
これ、損していますよね。
僕もかなりシャイな方だったので、凄くわかります。
結婚する前にした失恋の数は、おそらくスラムランクの桜木花道に匹敵します。
それはいいとして、シャイネスはどうやったら克服できるかを考えてみました。
シャイであるということは、怖がりであるという事。つまりなにかを恐れている。
そして、その多くは、自分のプライドとか自己イメージを守ろうとしているところからきています。
そこで、ちょっと洋書に書いてあることを考えてみましょう。
You may think you ARE shy, but in fact, you are just ACTING shy.
(あなたは自分がシャイな人間だと思っているかもしれないが、実際はただシャイにふるまっているだけだ)
シャイネス(shiness)というのはもともと人格を表すのではなく、行動を表す言葉なのだそうです。
つまり、遺伝だと諦めるのはあなたの勝手ですが、シャイな人間のように振舞うのか、それとも自信に満ちたリーダーのように振舞のかもまた、あなたの自由という事です。
振る舞いが自分のアイデンティティーを形成することを表すのに、”Fake it until you make it.”という諺もありますよね。
だから、遺伝子のせいにするのは、根拠のない言い訳で、明日からでもシャイをやめることは可能であるという事です。
どんな自分になるのかは、あなた自身が選択する事だ、という事です。
これだけだと、ただの自己啓発本を要約しただけみたいなので、自己体験談を交えます。
僕もその通りだと思います。
数年前、初めてグローバルなプロジェクトの責任者に任命され、アメリカ、ヨーロッパ、インド、香港、中国、日本のメンバー数十人の会議のファシリテーションをさせられたときは、怖くて逃げたかったのを今でも覚えています。
英語には多少自信があったけもれど、ネイティブを含むプロジェクトメンバーたちを統率するなんて、とんでもないと思いました。
それでも、こう自分に言い聞かせました。
自分はここで立ち止まる人間じゃない、先に行かなきゃならないんだ!
今、お前は何も持っていない、つまり何も失うものはない。
ちょっとぐらいヘタクソでも、それが原因でみんなから総スカンを食っても、最悪クビになっても、別にいいじゃないか。また別の仕事を探せば。
それより、この恐怖を克服したら、絶対に自分にとってすごい体験になる、と。
実際、海外の人からもマネージャーとして認識されるようになったのは、あの体験以降だと思います。
それでも最初は日本人のシャイネスが抜けきれず、議事どころか会議の開始も終了も、すべてみんなの了承を得て進めていました。
それを見かねた会議に参加していたアメリカ人の上司が、
You did well, but you have to own the meeting.
(よかったが、ミーティングを”所有”しなさい)
と言いました。
この単語の”own”には、そのまま「所有する」という意味もありますが、自分で責任を取り、自分のミーティングとして自分で決定し、リードしなさいという意味も含まれています。
その時、気づきました。権限と責任は一体なのだ、そしてマネージャーのポジションに就くという事は、その両方を与えられたという事なのだ、と。そして、その両方を自分のものにして初めて、リーダーシップを発揮でき、みんなは自分をただのポジションだけのマネージャーではなく”リーダー”として認識してくれるのだ、という事をグローバルな環境で、アメリカ人とのビジネスを通じて学びました。
まとめです。
- シャイネスは行動をさすものであって、性格をさすものではない
- シャイネスを遺伝のせいにするのは自由だが、それから脱却するのもあなたの自由
- 何を恐れている?結局はプライドや、自己イメージではないか?いずれにせよ、失うものは大したものではないだろう。自己を正しく知る事の方がメリットは大きいはずである
- あなたはシャイネスのせいでここで終わる人間か?むしろ、新しい自分を見たいと思わないか?
- If you are to facilitate a meeting, own the meeting!
Reference
Sayre, K. 2008, Unstoppable Confidence: How to Use the Power of NLP to Be More Dynamic and Successful, McGraw-Hill