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『ソーシャル・ネットワーク』の英語表現⑩ – マークはク◯ヤロウじゃない。ただ・・・

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※まだ見ていない人には、若干ネタバレになる可能性があります。

前回の続きです。

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ただし、このページは映画自体の評論やストーリーの解説をするものではないので、作品を楽しみたい方は、映画をご覧ください。アマゾン・プライムでも、ネットフリックスでも観ることができます。


目次

It was a leading question the first time.

それは最初の誘導尋問でした。

leading qustion = loaded question = 誘導尋問。リーディング・クエスチョン。

leading questionと似たようなものに、loaded question(ローディッド・クエスチョン)というのがあります。

loaded questionの定義は以下の通りです。

A loaded question or complex question fallacy is a question that contains a controversial or unjustified assumption (such as, a presumption of guilt).

(saylor.org Academy, 2022)

ローディッド・クエスチョンとは、議論中のあるいは根拠のない前提を含む質問誤謬である。

(セーラー・アカデミー, 2022)
You look so Asian to me. Are you from China or Japan?
※見た目から、相手を中国人か日本人かのどちらかと決めつけ質問している。
Have you ever had whale meat before, even though that means eating your friend's flesh?
※相手に鯨の肉を食べたことがあるかという質問の答えは"Yes"か"No"しかないが、その後の『鯨を食べることは自分の友達の身体を食べることと同じ』という前提には否定する余地が与えられていない。

こういう場合は、”That’s a loaded question.”と抗議しましょう。

ちなみに”fallacy(誤謬)”とは、相手の揚げ足を取り逆転論破する材料です。相手のアーギュメントの盲点や矛盾点です。会議やディベートで論破されないためには、fallacyのない、soundあるいはvalidなロジックを組み立てることが必要になります。

In all honesty, I thought they were my lawyers.

正直言って、彼らは僕の弁護士だと思っていました。

in all honesty, = 本当に正直な事を言って。

myがイタリック体で強調されているのがポイントです。

フェイスブックが再起業された際、弁護士にある書面にサインすることを促され、自分で雇った弁護士のアドバイスを仰がずにその場で署名したエドワルドは、後で自分がハメられた事に気づいたと供述します。

Woman: When you signed these documents, were you aware that you were signing your own death certificate?
Eduardo: No. It was insanely stupid of me not to have my own lawyers look over all the documents. In wall honesty, I thought they were my lawyers.

女性:あなたがこれらの書類にサインするとき、それが自分自身の"死亡証明書"サインすることを意味すると知っていましたか?
エドワルド:いいえ。自分自身の弁護士に書類を見てもらわなかったのは、正気の沙汰ではないほど愚かでした。正直言って、彼らは僕の弁護士だと思っていました。

What were you called out for?

あなたは何のために呼び出されたのですか?

call someone out for something = 何かのために呼び出される。

Mike was called out for a meeting tonight.

マイクは今夜のミーティングのために呼び出された。
Eduardo: I didn't know whether to dress for the party or for the business meeting, so I kind of dressed for both. But it didn't matter.
Gretchen: Why not?
Eduardo: Because I wasn't called out there for either one.
Gretchen: Then what were you called out for?
Eduardo: An ambush.

エドワルド:僕はパーティーのための服装にすればいいか、ビジネス・ミーティングのための服装にすればいいのかわからなかった。だから一応両方いけるような服装にしたんです。でも、そんなことは関係なかった。
グレッチェン:なぜですか?
エドワルド:僕ばどちらの為に呼び出されたわけでもなかったからです。
グレッチェン:では何の為に呼び出されたのですか?
エドワルド:"騙し討ち"です

You set me up.

set someone up = はめる。

エドワルドの持ち株は、34パーセントから0.3パーセントに希薄化されていました。気づいた時は後の祭り。本人が書類にサインしてしまった後でした。

Mark: You signed the papers.
Eduardo: You set me up.
Mark: You're going to blame me becaues you were business head of the company, and you made a bad deal with your own company?

マーク:お前は書類にサインした。
エドワルド:俺をはめたな。
マーク:お前は自分がこの会社の経営責任者で、大失敗をやらかしたことを俺のせいにするのか?

Listen, something’s happened.

聞いてくれ、ハプニングだ。

これもうまく和訳できませんが、直訳すると、「あることが起こった」です。

仕事上のトラブルを報告する際に使えます。こういうシチュエーションは、大抵の場合は、よくない事が起きたときですね。

ただ、ここまで酷いのは稀です。

ショーンは、登録者100万人のお祝いパーティーの最中に乱入してきた警察に、違法薬物使用の疑いをかけられます。

Sean: Listen, something's happened...
...
Mark: Shit.
Sean: It's all right. I'll be alright. I posted bond, and I wasn't doing anything.

ショーン:聞いてくれ、ちょっとしたトラブルだ。
・・・
マーク:嘘だろ。
ショーン:大丈夫だ。きっと大丈夫だ。保釈金は入れたし、俺は何もしていない。

This is going to be news, Sean.

これはニュースになっちまうぞ、ショーン。

一躍有名となったフェイスブックがお祝いパーティーのなかでインターンシップの学生に薬物を使用させた事が表沙汰になれば、会社生命が終わっても不思議ではありません。

エドワルドが起こした資金凍結に匹敵するクライシスと言えます。

Mark: This is gonna be news, Sean. It's gonna be online any second.
Sean: I know...
Mark: You know with an intern–
Sean: No, it's cool. I have it under control.
Mark: I will get it under control.

マーク:これはニュースになっちまうぞ、ショーン。
ショーン:わかってる。
マーク:わかってるのか、インターンの学生がいた場合は–
ショーン:いや、大丈夫だ。そのことについては俺が何とかしている。
マーク:俺が何とかする。

ショーンは、これがエドワルか、彼らに恨みを持つビジネスマンではないかと疑いますが、マークは信じません。

その後、ショーンの言葉で、パーティーに何者かによってコカインが持ち込まれていた事が判明します。

Do you want to get something to eat?

何か食べますか?

マークの書類をまとめる若い女性弁護士が一日中サラダ以外何も食べていない事を心配し、マークがそう尋ねます。

Mark: All you had all day was that salad. Do you want to get something to eat?
Marylin: I can't.

マーク:あなた今日一日そのサラダ以外口にしていませんよね。何か食べますか?
マリリン:食べられないんです

よく日本は、空気を読む文化が”high context culture”と表現され、欧米人(特に欧米人男性)には苦手とされます。

しかし、私はある意味、英語文化もhigh contextだと思う時があります。what you sayよりも、how you say itが重要だったりするからです。

例えばこの表現、言い方によっては、女性を食事に誘っているようにも聞こえます。

あるいは上司にオフィスに呼び出され、一通り話が済んだ後、

“Thank you.”

と言われたら、それは、

“Thank you. You’re set. Now get out of here.”

話は終わったからさっさと出ていけ、というメッセージかもしれません。

その場合は、そうだと解釈して、直ちに出ていかなくてはなりません(英語圏の人は、この空気を大抵察知します)。

In the scheme of things, it’s a speeding ticket.

他のことを考えたら、こんなのスピード違反のチケットを切られるようなものよ。

in the scheme of things = in the complete picture of the situation = in the long term = 全体から見たら。相対的に。長い目で見たら。

弁護士のマリリンは、マークに示談を勧めます。示談金なんて、もう一つのリスクに比べたら、スピード違反の罰みたいに軽いものだという喩えです。

It’s nothing in the scheme of things.

とか、実務の中でもシンプルに言える場面はあると思います。

I can’t imagine it would be a problem.

問題ないはずですよ。

単純に”No problem.” “Not a problem.”というよりは間接的でキャラクターが出ていると思います。

Mark: Think anybody would mind if I stayed and used the computer a little longer?
Marylin: I can't imagine it would be a problem.
Mark: Thanks. I appreciate your help today.

マーク:僕がもう少しここに残ってコンピューターを使ってたらまずいですかね?
マリリン:問題ないはずですよマーク:今日はいろいろありがとう。

You’re not an asshole. You’re just trying so hard to be.

あなたはク◯◯ロウじゃない。ただ、一所懸命ク◯◯ロウになろうとしているだけ。

最後を締めくくるマリリンのセリフですが、やはり日本語ではうまく決まりません。

英語のセリフの持つ美しさは、やはり翻訳では伝わらないと思います。

もっとも、もともと「ケ◯の穴」という意味を持つ単語自体に美しさもないはずですが。


References

Amazon Prime, 2011. The Social Network Got Facebook and Zuckerberg All Wrong [Online]
Available at: https://www.ldoceonline.com/dictionary/install
[Accessed 10 September 2022]

saylor.org Academy, 2022. PHIL102: Introduction to Critical Thinking and Logic [Online] Available at: https://learn.saylor.org/mod/page/view.php?id=21600&forceview=1#:~:text=A%20loaded%20question%20or%20complex,%2C%20a%20presumption%20of%20guilt).
[Accessed 10 September 2022]


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