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年収10倍を目指すためのキャリアプラン:中国やアジアの人材に負けないために

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いきなり結論ですが、起業をせず、数年で年収を10倍にすることは可能です。

自身の体験談で恐縮ですが、アメリカの大学を卒業後、約6年のキャリアを経て帰国したのが約10年前。その時の年収は、240万円程度でした。

その後、「戦略的転職」を何度か経て、今に至ります。

日本での社会人生活を初めて3年目に年収が800万円ほどになり、その2年後に1000万円、さらに転職を数回経て、額だけでしたら、日系の上場企業の役員くらいになりました。

その後も、年収を上げ続けていて、現在は仕事をしながら英国のEMBAコースに従事しており、履修後にはまたくステップアップを狙うつもりです。

数字だけで見ると、政府が発表している平均的なサラリーマンの収入に比べると、経済的には少しだけ恵まれているかもしれません。しかし、仕事で上を目指す理由は金銭的な理由だけではありません。

目標のない人生ほど味気ないものはないのです。つまりは、社会に貢献しながら、自分の限界に挑戦し続ける。競争相手は他者ではなくて自分自身なので、他人に年収やステータスで勝つ必要はなく、ただ、成功しても失敗しても、自分が成長していくプロセスを楽しむためにやっています。

ここまで苦労やリスクを背負って来たのかというと、そんなことはなく、自分にとって一番楽な方法で、一番リスクを取らずにやって来ました。

それは、努力やリスクを負わないことのツケを後で払う事の方が怖かったからです。

まだまだ何が起こるわからない世の中なので、老後も安泰とは言えませんが、一応家族も持ち、親が自分にしてくれたことを自分の子供にしてやれるようになりました。

今思えば、サラリーマンとして1000万円に到達するかどうかが大きな分かれ道でした。

そこから先は、1200万円、1500万円・・・と伸び方も加速したように思います。

その頃、ちょうど自分の部下を持ち、本格的にチームの業績について責任を負うようになりました。

つまり、企業に仕える人間としては、一定の年齢に達する前に管理職に就くかどうかが今後のキャリアの大きな分かれ道となるかと思います。

今回は、自分の経験や専門家の情報、資料を元にしながら、どうやったらいち早く管理職に就き、年収1000万円

に達する事ができるかを書いてみたいと思います。

以前、自分の体験にフォーカスした記事を書いたこともあり、今回はそれと重複する内容もあるかと思います。ご了承ください。

なお、この記事では、副業によるリスク分散(これも重要な要素)と、私の嫌いな、上司に胡麻をすってキャリアップを図る方法や社内政治については取り扱いません。


目次


自分は「自分株式会社代表取締役」、会社や上司はお客さんと考える

まず、最初に考えなくてはならないのは、今は会社が生涯面倒を見てくれる時代ではないという事です。

「一人社長」という言葉がありますが、ご存知の通り、一歩社会に出たら、すべては自己責任です。何かがあったら、法律を盾に自分で自分を守ることはできますが、その行動を起こすのは自分自身です。

逆に言えば、企業にぶら下がり続ける人間を企業は必要としません。必要のない人間を雇い続ける余裕のある企業は、この日本にはそれほど多く残っていません。5年後、10年後にはさらにこの数は減るでしょう。

以前、ソクラティック法でクリティカル・シンキングの能力をアップさせる回でも書いた事があるのですが、すでに日本の雇用市場では、海外出身の優秀で安価な人材と日本人との仕事の奪い合いは始まっています。今はまだ、海外人材採用に積極的なのは外資企業が中心ですが、そのうち優秀な人材不足に悩む日本企業も海外の逸材を積極的に採用するようになるでしょう。

こんな過酷な世界で生き残るには、何かあっても誰も助けてくれない、という覚悟の元、自分は「自分株式会社」の代表取締役社長兼オーナー、会社も上司も部下も取引先もすべてお客様、というマインドセットで仕事に臨むべきです。つまり全員が自営業、全員が経営者です。それに気づかない人は、やがて淘汰されるでしょう。

相手は顧客だと思えば、理不尽な上司と接する毎日も、嫌な人間関係も、一時の通過点と割り切ることができますし心の底から同意できない業務命令も、仕事だからと割り切って、私情を挟まずただ淡々とプロフェッショナルな仕事をすることができます。

ただし、「私は会社の命令に従っただけです」の言い訳では、もう自分を救うことはできません。会社からの使命や勧告も、クリティカル思考で自分なりに咀嚼をし、自分の本業である、「顧客を満足させるためのサービス」の一環と割り切って命令を遂行するのか、それとも、従う事は今後の自分のキャリアにとってのネガティブポイントになるため断るのか、自分で考えて判断して行動しなくてはなりません。

そのためには、当然ながら判断力を磨く必要があります。

そ のために多少の努力が必要ですが、努力に費やした時間やコストや多少の痛みは自己投資と考えられるかどうかが大きなポイントになります。

投資をしないリスク、リスクを取らないリスクが、一番確実な愚行だからです。

今自分の置かれた状況は、これまでの自分の判断に基づいて行動した結果であり、今の行動が5年後の自分を決定づけることを念頭に、キャリア・プランをしていきます。

SWOT分析でキャリア戦略を立てる

「キャリア・プラン」とは自分の人生に影響を与える「プロジェクト」であり、「プロジェクト」とは「戦略」であり、「戦略」とはつまり「リスク・マネジメント」です。

そして、ここでいうマネージ(管理)する「リスク」とは、「好機」と「脅威」の両方を指します。

つまり、「ストレス」には「ポジティブなストレス」と「ネガティブがストレス」があるように、「リスク」にも「ポジティブなリスク(好機)」と「ネガティブなリスク(脅威)」の2種類があります。

を加えた、世界中でリスク・マネジメントに使われている方法論として、この2種類のリスクに「内部的なポジティブ要素(自己の強み)」と「内部的なネガティブ要素(弱み)」を加えて分析する、SWOTというフレームワークがあります。

ビジネスを学ぶ人なら恐らくこの名前知らない人はいないというほど有名なフレームワークですが、SWOTは、Strengths (自己の強み)、Weaknesses (自己の弱み)、Opportunities (好機)、Threats (脅威)の頭文字4つを繋げた名前で、自己分析してこの4つをとにかく書き並べ、自分の「強み」を生かして「好機」に応じる、というのが教科書通りのセオリーです(British Library, 2022)。

例えば、帰国したばかりの私のSWOT分析であれば、以下の通りです。

Strengths (強み)
英語力が高い(平均的な帰国子女より自信あり)
米国の大学の学位(BA)
お土産がわりに取得した英検1級と米国PMP資格
海外実務経験
ビジネスレベル中国語
MVP経験あり
まだ比較的若い
行動力高め
Weaknesses (弱み)
日本での実務経験なし
ビジネス日本語レベルが同年代の平均以下
日本の風習に疎い(KY)
作業をすると細かいミスが多い
理数系の知識がない
まだマネジメントの経験が少ない
Opportunities (好機)
グローバル人材の需要が高い
日本企業に英語力の高い人材が少ない
一部上場の日本企業が多く海外進出
Threats (脅威)
文系の仕事は一部(弁護士など)を除き年収が低い
日系企業は、新卒を優遇する
企業は業界経験のある人材を優遇する
ヨーク・ニーリーの2012年時点でのSWOT

当然ですが、この中で一番注意が必要なのが「強み」のところで、必ず根拠が必要なのと、本当に企業にとってそれが強みなのかを客観的に考える必要があります。

例えば私の場合、大学の学位も英検もPMPも、資格を持っているのは客観的な事実でしたので、これは良しとしました。

大学学位はその大学のレベルにもよりますが、スタンフォードやハーバードなどの名門ではないにせよ、まあ大手雑誌のランキングを見ると中堅クラスの大学だったので、一応ちゃんと留学した証明にはなったと思います。

英語力については、在米中に英語を使った仕事をする専門職についており、日頃からアメリカのプロのライターと文学的な作品について議論し、場合によってはネイティブの英語を直したりする立場でもあったので、平均的な帰国子女と比べて英語力に自信がありました。

約6年の実務経験も客観的事実であり、当時は中華系の人と中国語でバリバリ交渉していたので・・・というようにセルフ審査をつけます。

このように、よく考えれば、どなたにも必ずいくつかの強みはあるはずです。平均より優れていればそれを書き出し、強い順に並べます。

これらの強みはそのまま経歴書にも記載できます。

私の場合は、強みであるグローバル人材の特長を生かし、海外展開を目前にそういう人材を探している企業に自分を売り込むのが有効であると考えました。そこが私の日本でのスタート・ラインでした。

そういう企業に的を絞ってリクルータに色々企業を紹介してもらい、多数の面接を経て、とりあえず250万円の年収を500万円に倍増しました。

ちなみに、「行動力がある」などの性格上の武器は、それが本当なら確かに自分の武器にはなりますが、客観的な指標がなければ企業に対して何の魅力もありません。今回SWOTに記載したのは、この先、他の人なら二の足を踏むような行動力を要するシチュエーションでも、自分ならスタートを切れる自信があると思ったからです。経歴書にそれを書く場合、面接でそれに纏わるストーリーを語る必要があり、むしろそれをメインにしないのであれば、むしろ書かない方が無難です。

UdemyでSWOTを含むセルフ・マーケティングのための基礎フレームワークを学ぶ

LinkedInやリクルーティング・サイトに登録する

日本でキャリアを積んでいくためには、「新卒」というブランドはまだまだ有効ですが、それが使えるのは1回きりです。

そして、通常は35歳から40歳くらいになると、転職の門が突然狭まると言われています。

ただしそれは、新しいスキルを習得したり、実績を積み上げたりせず、ただ毎日の仕事を漫然をやって来た場合で、経歴書に記載する実績があれば、むしろ ビジネスマンとして脂の乗ってきた30代からの方が、企業からの需要は高くなります。

もし、40代になっても毎週のようにリクルート・エージェントからヘッド・ハンティングや仕事の紹介のメールが来るようになることをキャリアの第一目標とするならば、まずは自分の市場価値を客観的にモニタリングする必要があります。

そのためには、リクルーターに自分の存在を知ってもらわなければなりません。

と言う理由から、LinkedInやその他複数のリクルーティング・サイトへの登録は必須です。

LinkedInの登録内容は、英語が好ましいです。日本ではまだLinkedInイコール転職というイメージがありますが、海外ならビジネス上のネットワーキング全般に使われているので、世界中の人と知り合いになれる機会も増えますし、会社に怪しまれる事もありません。

そして、日本語と英語の履歴書と経歴書を用意し、少なくとも毎年アップデートしましょう。これが自分のキャリアのロードマップになります。

35〜40歳までに、キャリアの第一関門が訪れる。

業界・業種に固執しない

企業もリクルータも、ポジションに空きができると、同じ業界からの人材を回そうとします。例えば、医療業界、芸能界、エンターテイメント業界、食品業界、という風に。

私は、あえてリクルーターのアドバイスを無視して業種に固執せず、コア・コンペテンシーである海外の経験を生かし、リーダーシップと営業戦略で高い成果をあげることにフォーカスしました。こうして、複数の業界でキャリアを積み、少しずつステップ・アップしていきました。

この戦略のプロとコンを上げるなら、前者は、(1)転職の間口が広がる(各業種が営業力や多国籍プロジェクトの遂行能力のある人材を必要としている)、(2) リスク分散になる(柔軟な考えが養われ、一つの業界が衰退しても次に移れる。いわゆる、潰しが効く)、(3)常に新しい発見があり、見識もネットワークも広がる、(4) 変化の多い人生となり、最高に楽しい、の4つです。

そしてコンの方は、多くのリクルータのいう通り、(1) 業界経験がないと書類選考で弾けれやすい、(2) いつも自分より業界知識の多い人がいる、の2点です。

良い面に関しては、好き嫌いもあるでしょうが、私は自分のことをビジネスの専門家と思いたいのであって、特定の業界に深い思い入れがないのです。むしろ、いろんな業界を経験しながら、どんな環境であっても結果を出すために自分の能力をフルに使うことに集中してきました。

結果として、経歴書は営業マネージャー寄りではありますが、経営コンサルタントのそれに近くなりました。多分それが、自分に合ったスタイルなのだろうと思います。

多方面で実績を上げれば、弱みである業界経験の少なさも、「これまでのように、ここでも迅速に必要な知識を身につけ実績を上げます」という説得力のあるストーリーが作りやすくなります。

そして、管理職の上級職へ行けば行くほど、業界の専門知識よりも、リーダーとしての実績が重視されるようになります。従って、コア・コンペテンシーさえぶれなければ、業界が変わることはさほど大きな問題ありません。

むしろ、一つの業界しか経験がない状態で、その業界が衰退するリスクを考えるべきです。

転職先の会社の情報を集める

転職先候補を探す際、会社の情報を事前に調べるのは基本中の基本です。ブラック企業がホワイト企業かの判別ばもちろんですが、会社はただの通過点とはいえ、自分の将来を決定づけることには変わりないので、できれば失敗はしたくありません。

自分が就職する会社には、自分が目標とする年収を稼ぐ人は何人くらいいるか、その人たちはどんな職位についており、その職位に着くにはどんなスキルや経歴が必要なのかを調べます。

その業界は、その会社はプラス成長を続けているのか、副業はして良いのか、今後も伸びる可能性はあるのか、強みは、弱みは、競合はどこか、利益率はどうなのかも調べます。

利益を出していない会社には、良い給料は払えないからです。

あるいは、小さい会社だけど裁量のあるポジションなら、自分がリーダーになる事でV字回復の立役者になれるかもしれません。失敗しても成功しても、そういうのに挑戦するのも一つの経験です。

可能であれば、退職者が会社の内情をリークするサイトがあるので、情報を鵜呑みにしないことを条件に(ここでもクリティカル思考を使いながら)、そういう情報も参考にします。

就職先が上場企業ならサイトに行けば財務表や事業成績のレポートが掲載されていますが、場合によっては、シンクタンクから有料の企業レポートを取り寄せるのもありだと思います。特に年俸1000万円を超えるようなヘッドハンティング案件の場合、数万円から数十万円の投資も十分価値があると思います。

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リクルータとは上手く付き合う

リクルータの言うことは鵜呑みにせず、お互いに利用しながら付き合っていくことが大切です。

リクルータとの関係は、必ずしもwin-winである必要はありません。

なぜなら多くの場合、彼らはあなたの相談に乗って最適なポジションを用意してくれるのではなく、先に企業に依頼されて人材を集めているのです。つまり、彼らのクライアントは企業であって、あなたではないからです。

あくまで利害が一致するから付き合う行きずりの関係です。その人材の要求事項に、あなたのスペックが合致していたから連絡してきたに過ぎません。

そういう意味では、2度と会わないリクルータもいます。従って、相手もそのつもりで接してくるので、必ずしもあなたの親身になって対応してくれるわけではなく、こちらが多くの条件を言うと、「ここは妥協しろ」と言ってきたりします。そして、それが必ずしもあなたの市場価値を反映したものではないのです。

彼らの目的はノルマを達成してインセンティブを受け取ることで、そのためには、そのポジションに人を入れることが最優先ミッションです。特に年俸以外の条件は、彼らの報酬には直接関係ない場合が多く、そこはあまり交渉してくれない場合があります。

ただそれは一般的なお話で、私の経験上、もちろんいいリクルーターはいました。

私の結論として、優しいけど無能なリクルーターよりも、非情だけど正直で優秀なリクルーターと仕事をするべきだと思います。

同じポジションに3年以上いない

サラリーマンとしてキャリアを積む人間には2種類います。

  • 同じ会社に定年まで勤め上げる覚悟の人
  • 転職をしながらキャリアを積み上げる人

ここでは、あなたは後者であることを前提としてお話ししているので、少なくとも3年ごとにポジションを変えることをお勧めします。

なぜかというと、転職する際、同じポジションに3年以上いてそこから昇格がない場合、採用側から、この人材は能力がないと見られてしまうリスクがあるからです。

目標としては、3年をひと区切りとして、必ず自分のポジションで何か昇格に値する実績をあげる。

あなたの評価は、会社が決めるものではありません。社会が決めるものです。

会社が報酬を上げ、昇格させてくれたらそのまま残るもよし。

逆に、昇格に値する実績を上げたのにも関わらず、それに見合った見返りがないのならば(その可能性は高い)、その実績を引っ提げて新しい職場を探し、今より裁量や年収のあるポジションに変わります。

これが「戦略的転職」です。

こうしてキャリアアップを進めて行きます。

目標を見失わない

重要なのは、「戦略的転職」するたびに、ぶれない自分のストーリーの新しいチャプターを書き足していくことです。

私は今まで失敗ばかりで、何をするにも人より時間が多くかかり、その度に多くの人に助けられてきました。そのおかげで、紆余曲折しながらも、私なりのストーリーは続いています。

ただ、自分の無力さを実感し、日々の感謝の気持ちだけは忘れていません。そして、助けてくれた人には、何らかの形で恩返ししなくてはなりません。私は、ビジネスで受けた恩恵は、微力ながら、なるべくビジネスで返すようにしています。

今回は以上です。

過去の記事にて、転職上の注意事項をリストにしていますので、よかったらこちらもご覧ください。


References

British Library, 2022. What is SWOT analysis? [Online]
Available at: https://www.bl.uk/business-and-ip-centre/articles/what-is-swot-analysis
[Accessed 19 September 2022].


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