21世紀においては、IT業界が世界の産業をリードし、一番大きな影響を与えているのは間違いありません。今後は、AIやビッグデータ、ブロックチェーン、ナノバース、量子コンピュータなどの技術が世界中を一変させていく事が予測されます。しかもその変化の速度は加速度的に増加しています。
これからを担う重要なIT産業ですが、US Newsが公式ウェブサイトで発表している、彼ら独自のランキングシステムによる43項目からの採点方法で格付けしたランキングを掲載します。
学科別のランキングは、研究の実績などを加味しているため、有力な論文の数が少ない大学は不利になります。
世界最強50校のうち、中国14校(香港を入れると18校)、アメリカ17校、で、米中だけで7割を占める。
トップ50のコンピュータ・サイエンス学部を持つ大学を国別に見てみると、以下の通りです。
これにより気づいたのは以下の点です。
- 中国+香港とアメリカだけでトップ50校の7割を占める。
- 日本はトップ50以内には1校も入っていない。
- トップ50校は大きく分けて、中国語圏と英語圏に分かれており、その2つの言語に強い大学が圧倒的。
- アジアでは、日本は中国のほか、英語と中国語の両方に強い香港、シンガポール、そして50位以下の圏外では、韓国やマレーシアにも負けている。
- 50位以内では、中東ではサウジアラビアが強い。
- 意外にも、IT大国インドの大学がランキング上位に挙がっていない。
- 日本にはコンピュータ・サイエンスが特別強い大学がなく、一般的な大学の国内ランキング1位2位と一致している。ちなみに、東京大学の全学部の世界ランキングは77位だが、コンピュータ・サイエンスは87位。つまり、日本は海外に比べ、ITの研究にそこまで力を入れていないか、もともと強くない。
これを見る限り、80年代のジャパン・アズ・ナンバーワンの時代以来世界の技術先進国と言われていた日本の影はありません。
私個人的には、コンピュータ・サイエンスに強い大学の名前を『工科大学』とか『工業大学』のように、工業の延長線上のような位置づけのような和訳を当てるのも、前近代的な感じがしてちょっと嫌です。
いずれにせよ、これを見て危機感をおぼえないようであれば、少しやばい気がします。
早急に英語か中国語を勉強して留学し、海外でITを学んで世界に通用するコンテンツを開発するエネルギーがなければ、日本が世界の表舞台に再び浮き上がるのは、難しいと思います。