あなたがもしキャリア・アップを目指しているなら、それがどんな道であっても、どんな組織でも、必ずライバルは存在します。
僕自身も、周りでキャリア・アップを果たし人間も、レベルが一つ上に上がった時は、ほとんど必ず誰かライバルの挑戦を受けています。
僕の場合に至っては、恋愛でも必ず同じで、僕と付き合った女性と僕との間には、ほとんど必ずと言っていいほどライバルの存在がありました。
今回は、仕事でキャリアを積んでいく中で、ライバルと向き合った時の対応方法と、チャンス到来の気づき方とその対応方法についてお話しいたします。
チャレンジへのレスポンスは、「ファイト・オア・フライト」
そんなライバルと対峙した時の対応は2つ、ファイト・オア・フライト(fight or flight)です。つまり、「戦う」か「逃げる」かの2択しかありません。
自分のこれまでのキャリアを振り返ると、組織の中で昇格を果たしたり、決定的な権限を獲得した時は、必ず僕の前にいた権力者を退け、自分がその全部または一部の権力を奪い取る形で、これを実現しています。
僕の体験した組織の中は、仲良しこよしではなく、上に行けば行くほど、”弱肉強食”でした。
逆に、転職をしている時は、大抵部内での争いに巻き込まれて業務が妨害され、行き詰まっている時でした。
自分が会社に対して与えた貢献度に対して、自分の上のポジションの人間、僕に報酬を与える権限を持つ人間が正当な評価せず、それどころか僕の存在自体をリスク因子と捉え、潰しに掛かってくる時来た時です。
ただ、これまでは、戦いを受けた場合も、あるいは回避した場合も、両方の場面において、キャリア・アップを果たしてくることができました。
ファイト:ライバルを撃破することを選択した場合
戦いを正面から受け勝った場合は、相手の弱点を自分の強みを生かして突くことで撃破してきました。
例えば、自分の上司があまりいい上司ではなく、あなたが活躍すればするほど、あなたの成長を評価し、祝福してくれるどころか、あなたを脅威と感じたとします。
あなたへの嫌がらせが始まります。
その上司があまり賢くなければ、自分の権力を行使して威圧的にプレッシャーを掛けてくるでしょう。
令和のこの時代にも、こういう昭和の化石のようなボスが絶滅せずにいるようです。
過去のサラリーマンは、基本的にはこういうシチュエーションでは上司には誰も逆らわないのが一般的なセオリーでしたが、それはもう過去の話です。
大抵の場合、こういう古いマッチョ・タイプのボスの多くは、その地位に上り詰め、それ以来圧倒的な権力を武器に専制君主を敷いているので、長い間、”喧嘩”を経験しておらず、新しい時代に沿った戦術で反撃してくる相手に慣れていません。
専制君主型のボスは、カリスマのような振る舞いをしていますが、実は自信がなくてコンプレックスを抱えている場合が多く、部下の人望も薄く、実は部下はみんな不満を抱いている、という場合が多いため、優秀な腹心もいません。
大抵は孤立しており、イエスマンに対して自分のアイディアを押し付け、無理やり命令に従わせているだけです。
そんな状況で、腹心から創造的なアイディアが出てくるはずもなく、何のことはない、権力はあっても相手は1人というわけです。
現代社会では、同族企業やブラック企業でない限り、パラハラ等の対策がしっかりしており、職権濫用に対して、ある程度人事部が独立した権限を持っている場合が多いです。
その人事部が専制君主型の社長の支配下にある場合も、外資なら本国にそれを監視する組織がある場合がほとんどです。パワハラの被害者に告発されでもしたら、そこから飛び火して、会社の評判や株価に影響が出かねないからです。
そういう環境下で、威圧的なマネジメントをする事は、もはや自殺行為です。
それが、彼らにとっての大きなアキレス腱となります。
今はLinkedInなどで業界の事は全て情報が取れる時代。ライバルの前職の同僚にコンタクトしたら、その人の過去の悪事に関する情報が、出るわ出るわ。
そして何より、クビになるのが怖くなかったことが非常に大きかったと思います。
何かあっても権限が濫用できない以上、絶対的権限は相手の武器ではない。いや、もしそうだとしても、最悪この会社にいられなくなるかも知れないが、それでもタダでは転ばないし、次の仕事も探すのも、自分ならなんとかなる。
そう割り切っていたから、相手と真っ向から戦う事ができました。
そして幸いにも、ライバルを論破することは難しくありませんでした。
また別の会社では、仲間のサポートを得て、ライバルの権力者を退けたこともありました。
フライト:戦いから撤退することを選択した場合
ただ、これまでに中には勝てない相手もいました。
戦いは時の運です。別の会社で、敗北を喫したこともあります。
いや、敗北というよりは、戦いの継続を回避するということを僕が選びました。
ライバルが政治的な策士であれば、あなたとライバルとの戦いに決定的な影響力を持つ権力者に入れ知恵し、結果その権力者があなたではなくライバルの肩を持つこともあります。
僕にも過去にそういう事がありました。
そういう意味では、社内政治的な戦いにおいて、いや総合力で、あの時点でその相手は僕より上手でした。
しかし、その時は「戦略的撤退」で戦いを回避し、自分のキャリアを追求する場を別の会社に移す事で、その時より良い条件のポジションを獲得する事ができました。
今思えば、いい経験となりました。
戦いから逃れたことで、僕は改めて自分と向き合う機会が得られ、最終的には更なるキャリアアップにつながりました。
結果オーライというやつです。
総括:鍛え続け、ピンチとチャンスを見抜くことが大切
こうしてここまで生き残って来れたのは、今思えば、運がよかったのかも知れません。
ただ、一番大きかったのは、自分の能力を高めるために毎日学習を続けてきたこと、こういう仕事上のちょっとした修羅場から逃げずに挑戦し続け、失敗から学んだことが、自分のエンプロイアビリティと自信を培ってこれたことだと思っています。
そして、突如やってくるチャンスを見逃さず、行動することも大切だと思います。
ライバルにプレッシャーを掛けられ、劣勢に陥っている時、あるきっかけで戦局を一夜にして逆転させたり、戦いの場から環境を変え、今以上のポジションに自分を移すチャンスが到来する事があります。
チャンスは明確な形では現れません。
チャンスはピンチの裏返しかも知れません。
発想を変えることで、ピンチがチャンスになることもあります。
以前アップした、アウトソーシング・調達のスタンダートとも言えるOPBOKの要約ページでも、ある一つのリスクは、チャンスでもあり、それはコインの表と裏のようなものであり、その両面を味方を変えてみる事が大切だと述べました。
そして、チャンスはすぐに行ってしまいます。
場合によっては、今後の自分の人生に影響を与える、とんでもない判断を迫られる瞬間があります。
まずはその好機到来に気づき、正しい判断と行動を起こせるかが鍵となります。
まだまだ未熟な僕は、これまでに気付かぬうちに好機を逸しているかも知れません。
でも、好機を逃したという事は、次はもっといい好機が到来するサインのだと言い聞かせています(これは、あるユダヤ人のビジネス書に書かれていました)。
私の経験からも、ライバルやピンチの到来、チャンスの到来、この二つはキャリア・アップには欠かせない要素だと言えます。
日頃の練磨と、正しいアチチュード(attitude)を備えておくことが、このふたつを正しく処理し、私たちを成長させてくれるのだと思っています。