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『ソーシャル・ネットワーク』の英語表現⑥ – ウェブサイトをマネタイズする時が来た。

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映画『ソーシャルネットワーク』シリーズ第6弾。

映画のセリフの中から、実際のビジネスの場で使用できそうな表現をピックアップして、解釈を加えて行きます。

※まだ見ていない人には、若干ネタバレになる可能性があります。

前回の続きをやります。

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ただし、このページは映画自体の評論やストーリーの解説をするものではないので、作品を楽しみたい方は、映画をご覧ください。アマゾン・プライムでも、ネットフリックスでも観ることができます。

目次

Have you ever heard so many good things packed into one sentence?

一つの文の中にこんなにたくさんいい事聞いたことある?

フェイスブックを立ち上げて有名になって来たマーク・ザッカーバーグとエドワルド・サヴァリンは、授業中に女性生徒2名に話しかけられ、フェイスブックでフレンド・リクエストして、一緒に飲みに行こうと誘われます。

エドワルドは浮かれてマークに言います。

Eduardo: She said, "Facebook me and we can all go for a drink later," which is great for two reasons: One, she said, "Facebook me," right? 
Mark: The other is, they want to have drinks.
Eduardo: Have you heard so many good things packed into one sentences?

エドワルド:その子は「私をフェイスブックで友達申請して。一緒に飲みに行こう」と言ったが、これは2つの意味で素晴らしい。まず一つ目に、「フェイスブックの友達申請して欲しい」と言われたこと。
マーク:もう一つは、彼女たちは飲みに行きたがっている。
エドワルド:一つの文の中にこんなにたくさんいい事聞いたことある?

男女のデートとか、キャンパス・ライフの場だけでなく、こういう状況はビジネスでよくあります。

たった2つの「いい事」を”so many good things”と表現したエドワルドは、ちょっと大袈裟といえなくもないですが、その2つにはさらに多くの「良いこと」が付いてくる、と解釈することもできます。

応用編としては、このsentence(文)という単語をoffer(オファー)やdeal(取引)に変えて、

Have you heard so many good things packed into one offer/deal?

などと、ちょっと冗談っぽく言うこともできます。

It’s time to monetize the site.

ウェブサイトをマネタイズする時が来た。

エドワルドは、立ち上げたフェイスブックから収入を得ることを提案します。

当然ここまでお金を投資しているので、回収する必要があります。

でも、マークはあまりピント来ていない模様です。

Eduardo: It's time to monetize the site.
Mark: What do you mean?
Eduardo: It's time for the website to start generating revenue.
Mark: I know what the word means. I'm asking how you want to do it.

エドワルド:ウェブサイトをマネタイズする時が来た。
マーク:どういう意味だ?
エドワルド:ウェブサイトを収入源にする時がきたと言うことさ。
マーク:言葉の意味はわかるよ。俺は、お前がどうやってやりたいのか聞いてる。

上の会話の中の最後のエドワルドのセリフは、ウェブサイト( フェイスブック)を主体とした構文であり、日本語にすると不自然です。

直訳すると、「今は、ウェブサイトにとって、収入を作る事を開始する時間だ」みたいな感じでしょうか。ここに、和訳の限界を感じます。

だから英語は、和訳なしで、感覚で意味を理解するのが理想です。それがバイリンガリズム(bilingualism)ということです。

マークがそれくらい知っていると言ったマネタイズ(monetize)は、ITやデジタル・マーケティングの分野を中心に、日本語としても普及している単語なので、ビジネスの場で大いに使われる事でしょう。

ウェブ・ビジネスにはマネタイジングが必要。

I’m talking as the business end of the company.

会社の実用性の事を言っているんだ。

the business end of something = インフォーマルな表現で、武器などの実用性や実機能があるところ。例えば、刀剣の刃の部分や鈍器の殴る先端。ここでは、比喩的に、”business”(仕事をするところ)を本来のビジネスの意味に掛け合わせて使っているので、一周回って文字通りの意味になっている。

広告収入を提案するエドワルドですが、マークは反対します。

Mark: If we start installing up-ups for Mondain Dew, it's not going to be cool.
Eduardo: I wasn't thinking Mountain Dew, but at some point... and I'm talking as the business end of the company.
Mark: We don't even know what it is yet. We don't know what it can be.

マーク:もしマウンテン・デューのポップアップをサイトに搭載し出しすのはヤバいだろう。
エドワルド:マウンテン・デューは考えになかったけど・・・いつかは考えなくちゃ。それに、俺は会社の実用性の事を考えて言っているんだ。

it’s not going to be cool = coolじゃない、カッコ良くないという意味だけではなく、問題がある、危険だ、許されない、などの意味もあります。

マウンテン・デューは、アメリカのキッズや大学生が飲むソーダ(炭酸飲料)の一種で、体に悪そうですが、結構美味しい飲み物です。

下の写真はペットボトル入りですが、缶入りの方がうまいと思います(アルミの方がPETより気体が逃げにくいためか、味が劣化しにくい気がします)。

これが、体に悪そうだが美味しいマインテン・デュー

I find it to be mildly annoying.

そいつはちょっとムカつかせてくれるね。

find it to be annoyingは、多分TOEICや英語の授業では文法的に×をくらう表現でしょう。

“find”はlinking verbといって、verb(動詞)と残りをくっつける役割を果たす単語です。日本語では「連結動詞」というらしいですが、日本語でこの言葉を聞いた瞬間アレルギーのスイッチが入ります。文法用語は英語で覚えることをお勧めします。

以下のように、英語の解説方がずっとシンプルです。

Linking verbs are verbs that don’t show an action but rather describe the subject. While verbs like walk or jump represent an action, linking verbs like be or seem add more details to the subject, such as “he seems nice” or “she is an architect.” 

(Grammarly, 2022)

つまり、この”to be”は不要で、そのまま、

I find it mindly annoying.

と言うのがスタンダードです。でも、ネイティブはこのように、もっと自由性を持って英語を話します。

だから、TOEICのように、一番スタンダードな英語を教え、「これ以外は不正解」と暗号的に記憶させるだけの教育方法が、日本人に過度な緊張感を与え、自信を奪い、肝心なコミュニケーション・ツールとしての機能、つまり、”the business end of the English language”を破壊していると言えます。

Mark: I find it to be mildly annoying.
Eduardo: They find it to be property theft. They say we could face legal action.

マーク:そいつはちょっとムカつかせてくれるね。
エドワルド:奴らはこれを知的財産の盗用を見ている。俺たちは告訴かも知れんと言っているぞ。

This is from a lawyer. They must have grounds.

これは弁護士から来てる。アイツらはそれなりの法的根拠があるんだ。

must = 必須である。であるに違いない。機械的に1つの単語に2つの意味があるのではなく、英語では2つの概念は同じなのだと解釈します。それが、英語圏の言語だけでなく文化を学び、英語脳を作るのに役立ちます。

have grounds = 根拠がある。

His argument is grounded.

彼の言い分には根拠がある。His argument is sound/valid/reasonable.などの文と似ています。専門的には、どれも少し違いますが、その説明をすると、それだけで記事一つ分くらいになるので割愛します。どれも、「一理ある」くらいに考えておけば大丈夫です。

It’s time for them to see this in Palo Alto.

パロ・アルトのヤツらもこれを知るときだ。

Palo Alto = カリフォルニア北部の町。スタンフォード大学があることで知られる。ここでは「永田町」「兜町」「霞ヶ関」「シリコン・バレー」のように、地名でそこにいる人間や会社を表す表現として使っている。

スタンフォードの代名詞として覚えておくと良い地名です。

The Winklevi aren’t suing me for intellectual theft. They are suing me because, for the first time in their lives, things didn’t work out the way they were supposed to for them.

ウィンクルヴォス一家は知的財産権侵害で俺を訴えてるんじゃない。奴等は生まれて初めて自分の思い通りに行かないことがあったから俺を訴えているんだ。

the [family name]s = the の後に姓の複数形で「〜の家族一同」。ここでは、マークを告訴したWinklevossの事を言っている。通常はthe Winklevossesとsをつけて複数形を作るが、マークは、Winkleviとクリエイティブな複数形を造語している。ちなみに、このように複数形を作る法則は、octopusをoctopi、fungusとfungiのように、最後の「〜アス」の発音を「〜アイ」に変えて複数にする生物名の例がある。

for the first time in your life = あなたの人生において初めて。

things don’t work out the way they are supposed to = 物事が思惑通りに進まない。

Marylin: You must hate the Winklevosses.
Mark: I don't hate anybody. The Winklevi aren't suing me for intellectual theft. They are suing me because, for the first time in their lives, things didn't work out the way they were supposed to for them.

マリリン:ウィンクルボス一家を恨んでいるでしょうね。
マーク:俺は誰も恨んでない。ウィンクルヴォス一家は知的財産権侵害で俺を訴えてるんじゃない。奴等は生まれて初めて自分の思い通りに行かないことがあったから俺を訴えているんだ

世の中こういう奴もいます。自分の思い通りにならないとすぐに怒る奴が。

それにしても、この映画に出てくるマークも、なかなか性格悪いです。特に女性を見下している傾向が見られます。

I want an injunction. I want punitive relief.

俺は差し止め命令を食らわせたい。罰則措置を食らわせたい。

直訳は、「俺は差し止め命令が欲しい」ですが、もちろん自分が食いたいわけではないです。

ウィンクルボス兄弟の参謀役のディヴィヤが怒りをあらわにして言います。

ここから血みどろの死闘が始まります。

References

Amazon Prime, 2011. The Social Network Got Facebook and Zuckerberg All Wrong [Online]
Available at: https://www.ldoceonline.com/dictionary/install
[Accessed 12 September 2022].

Ellis, M., 2022. Linking Verbs: Definition and Examples [Online]
Available at: https://www.grammarly.com/blog/linking-verbs/[Accessed 12 September 2022].

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