「美文」という表現は、シェークスピアの詩のように、世界中の大多数が認める美文ではなく、私が美しいと感じた文です。
⇨世界の大学(コンピューター・サイエンス学部)のランク。日本のレベルはどこ?
構文が美しく、響きが美しく、それを読んだ瞬間に頭をよぎる世界観も美しい。そんな魂を持った文だと感じました。
それはこちらです。
これはあるウェブサイトからの引用で、昨今のスマート・ウォッチのブームが機械式腕時計を時代錯誤のカテゴリーに追いやるか否かについて語っています。
このサイトは結論として、スマート・ウォッチも機械式腕時計もそれぞれに居場所があり、共存すればいいと述べており、以下の3文は、機械式時計の魅力の一つを語っています。
The lure of the luxury. When you buy a luxury mechanical watch, you are purchasing a piece of that brand’s history. Similar to expensive cars and vintage wine, these timepieces bring a sense of tradition and excellence.
(David Duggan, 2019)
日本語訳は、英語の響きにはかないませんが、一応こんな感じの意味です。
ラグジェリー(贅沢品)の魅力。高級機械式腕時計を買ったとき、それはそのブランドの歴史の一部を購入したことになる。高級な車やビンテージ・ワインと同じように、それらの時を刻む計器は、持つ者に伝統と格式のある存在感をもたらしてくれる。
luxury = 名詞で「贅沢品」とか「高級品」とか「ラグジュアリー」の意味。形容詞は”luxurious”というのがあるが、「贅沢品のような」という意味合いで使われることがあり、名詞がそのまま形容詞的に、続く名詞を修飾するのに使われることも多い。似た言葉で”elegance” “style”(スタイル、格式、風格、エレガンス)などがあるが、luxuriousというと、通常高価格を連想するが、後者はどちらかというと風格に重点がある。
この”the luxury”の”the”は、日本語ではうまく訳せないが、作者も読者もお馴染みの、唯一無二の存在であることを表し、主役の存在感を示す。従って、この”the”は絶対に必要。
purchase = 購入する。”buy”(買う)よりも固い言葉。
a piece of history = 歴史の一片。a piece of somethingは、何かの一部。
vintage wine = ビンテージ・ワイン。アメリカ英語では、会話の中ではTの音がなく「ヴィニッジョアイン」と聞こえる(なぜかわかればリスニング も発音も上級者)。
timepiece = 意味は「時計」だが、使い方によっては詩的な表現となる。”time-“がつく言葉をチョイスすることで「時を刻む計器」というニュアンスを含み、”history”(歴史)や “tradition”(伝統)と見事に呼応。
a sense of something = ~の感覚・風格。
trandition and excellence = 伝統と格式(直訳すると「卓越性」)。これはセット・フレーズで覚えるとよい。
この文章の持つ魅力を私と同じノンネイティブの方と共有できたらとても嬉しいです。
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David Duggan, 2019. SMART VERSUS MECHANICAL WATCH: THERE’S A PLACE FOR BOTH [Online]
Available at: https://www.daviddugganwatches.co.uk/one-to-watch/2019/smart-versus-mechanical-watch-theres-a-place-for-both/
[Accessed 24 October 2022]