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人を騙す三流品のエセ・リーダーにならないために、なにができるか?

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今日、いきなり自分のLINEが強制的にグループに参加されられ、なんだかよくわからない株式投資の有名な先生の弟子らしき若い女性のアイコンのついた女性からメッセージが来た。

車を運転している最中だったが、ついいけないと思いつつも、なんだ?と画面を見てしまった。脇見運転である。

なんでも、これから日本の株価が上がるらしい。

理由は、最もらしいことが書いてあったが、忘れた。

おそらく、以前相談したどこかの投資業者から、俺の電話番号を買ったんだろう。そう思っていたら、驚いたことに、この謎のグループに巻き込まれた被害者の半分くらいは即座に退出せず少なくとも2、3分はこのチャットルームに残っていた。

この先生は、株で儲けていて、同じように儲けさせる情報を知っているので、その情報を有償で配布しようというのだ。

そんなに自信があるなら、なぜ自分でその情報とやらを活用し、1人で巨万の富を獲得してForbsに名前を載せないんだろう。

なぜこんな怪しいことをして、不特定多数の株で儲けたい人間から小銭を集めるという、割に合わない事をしているのだろう?

チャリティ?慈善事業?

こいつらがそんなタマか。

大体、素人が短期株式で儲けられるわけがない。

結局、ウォール・ストリートやスタンフォードでファイナンスを極めた超エリートと、株価そのものを操作できるだけの材料を持った機関投資家が、限られた儲けのほとんどを独占してしまう。

弱者は強者の食い物でしかない。

そして、悪いがこの株式の先生とやらは、その強者ですらない。

この閉鎖された日本という市場の中で一発逆転を狙う若者の心に漬け込んで強者を偽り、自分の利益のおこぼれに預りたいと考え弱者の層を自分の下に形成し、この小さなエコシステムで利益を吸い取るだけ。

俺は、軽く「先生」のロジックの穴を何点か指摘して、さっさとこの迷惑グループから退出した。余計な事をしたかもしれないが、あのコメントを見たひとりでも嘘に気づき、騙されずに済んだことを祈る。

この某先生は、リーダーとしては三級品である。

それでも悲しいことに、それでも信者もいるようだった(彼らは単なるサクラであってほしい)。

こういうニセモノが存在するのは、騙される人間がいるからで、それは、彼らの心にクリティカルシンキング(critical thinking)が装備されていないからである。

これからの何でもありの”dog eats dog”の弱肉強食世界を生き抜くには、クリティカルな考え方は必須であるといえる。

…そして、この三流のようにならず、一流のリーダーになるには?

実は、このことをこの数か月ずっと考えていた。

まずいえることは、「お金」や「知名度」を最終目標とするリーダーは、絶対に一流のリーダーにはなれないということ。

これは、世界で一流のリーダーと言われている人自身も、有名な著書”The Power”の作者のロバート・グリーンも、世界的なキャリア・カウンセリングの第一人者であるマーク・サヴィカスも言っている。だから一般人の嫉妬でも言い訳でもない。

自分はこれまで、いくらリーダーといえど、人の意見を変えることはできないし、そうしようとしてはいけないし、そんな権利はない、そして、そうあるべきであると考えていた。

理由は、ヒトラーやプーチンの例もあるように、カリスマ性のあるリーダーは、巧みに人の心を操り、自分個人の欲望をかなえるため、悲劇を生んでしまうと思ったからだ。

確かに、現代において、正直で信頼されるリーダーシップ(genuine leadership)は有力なリーダーシップのモデルである。

しかしそれだけでは十分ではない。

人の心を動かし、本人同意のもと、共通の目標に向かって仲間をコミットさせる能力が必要になった。

理由は、心理学の第一人者であるエドガー・シャイン先生の言葉が的確である。

現代は、リーダーよりも能力のある人間がチームに必要だ。

技術革新、とくにIT分野の発展が進み、テクノロジーは多様化・複雑化した。

もはや、一人のスーパーマンが、その手腕一つですべてをコントロールすることは不可能になった。

組織として高い目標を達成するには、リーダーは一番でなくていい。

すべての分野において、自分より能力の高い人間が近くにいればいい。

そして、昔のようにトップダウンで命令するコマンド&コントロール(command and control)の時代は終わった。

チームメイトが、懲罰が怖いからではなく、報酬のためでもなく、この人と同じ目標を達成したいから、より高次元の自分を目指したいからという理由で行動を共にするようなリーダーシップ(transformational leadership)と同時に、リーダーがフォロワーを助けるリーダーシップ(servant leadership)が必要だ。

チームメイトが「行動を共にしたい」と心から願うためには、やはりリーダーが影響を与えなければならない。そのためには、カリスマ性のあるリーダーシップ(charismatic leadership)もやはり必要だ。

では、ヒトラーや冒頭の三流「先生」と、本物のリーダーの違いは?

そこはやはり、自分の欲望ではなく、相手の自己実現を心から願い、そのためにベストだと思う道を自分の道と重ね、示すことだと思う。

チームにはそんなリーダーが必要だし、自分もそうありたいと思う。


Selected Bibliography

Billy Perrigo, February 17, 2023 10:58 AM EST. Tech Artificial Intelligence: The New AI-Powered Bing Is Threatening Users. That’s No Laughing Matter. [ONLINE]Available at: https://time.com/6256529/bing-openai-chatgpt-danger-alignment/

Rogers, C. R., 1957. The necessary and sufficient conditions of therapeutic personality change. Journal of consulting psychology21(2), p.95.

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