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なぜ日本の上司はクソばっかりなのか?:ピーターの法則が教える組織というシステムの罠

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なんで上司はクソしかいないんだ!?

そう思っているあなたへ。

その意見は正しい。

そのとおり、会社や学校を始め、あらゆるヒエラルキーのある組織においては、上司はクソしかいないのである。

それは、今のシステムが悪い。特に日本のシステム。

あなたは、『ピーターの法則』(The Peter Principle, 1970)というのをご存じだろうか?

それは簡単に言うと、こういうことである。

あるポストにつくために必要な能力と、そのポストで良い結果を出す能力が一致していない。

要するに、免許を取るためのテストでは、その人が良いドライバーになるかどうかは測れないのである。

会社の中の営業部を例に出してみよう。

  • 営業(プレイヤー)として優れた成績を収めた人は、昇進して課長になる。
  • 課長になれば、今までと違ったスキルが求められる。
  • 課長(ミッド・マネージャー)として優れた成績を収めた人は、昇進して部長になる。
  • 部長になれば、今までと違ったスキルが求められる。
  • 部長(マネージャー)として優れた成績を収めた人は、昇進して・・・

もう、おわかりだろうか?

そう、つまりあなたの上司は、そのポストに向いていないから、何年もそのポストに居座っているのだ。

もし優秀なら、その人は今頃昇進してそのポストにいないだろう。

向いていないからと言って、会社はその無能な上司を降格にもクビにもしない。

そういう無能なおっさんやおばさんは、日本の年功序列の文化や、労働基準法に守られているからだ。

そして、そういう上司は終身雇用を期待しているので、自分が無能であってもそのことを自ら問うことはしないし、ましてや自分から降格を願い出て、若い次の世代にバトンを渡して自分は支える側に守ることはしない(だから無能なのだ)。

なぜこんなバカが自分の上司になれたんだろう、と思うかもしれない。

上の、「優れた成績を収めた人」という条件には、必ずしも営業だったら「売上」とか、会社の利益と密接に関連したものだと書かなかったことに着目願いたい。

「優れた成績」=昇進を決める権限を持つ者(つまりその人間の直属の上司)を満足させること、なのである。

それは、その上司の評価とも直結していれば「売上」かもしれないし、週末のゴルフに付き合うことかもしれない。おっさんの飲み仲間になることかもしれない。決して逆らわず命令に忠実でいればいいのかもしれない。

能力が高い人間が昇進のスポットが当たる、というのは嘘だ。

昇進するのは、いつだって努力をしてそのポジションを勝ち取るケース(プッシュ)よりも、たまたま空いたポジションに、自分と仲のいい権限者(パトロン)に引っ張り上げてもらうケース(プル)の方がはるかに多い。悲しいがこれが現実だ。

それに、俺が見る限り、日本の上司の90%は、ほどほどに使える部下は欲しいが、自分より能力の高い部下を忌み嫌う。自分の後輩が次の昇進を争うライバルになったり、ましてや自分を脅かす存在になることを死ぬほどいやがる。

年功序列文化の日本において、若輩者に自分より上のポジションを譲ることができる人間はごくわずかであり、そもそもそんな正義感にあふれた人徳者は、組織の中ではヒラか主任どまりなのである。だから日本からはなかなか優秀な人材が生まれない。

したがって、今の日本の組織のシステムの中では、優秀なボスは現れないのである。

では、こういうバカな上司に当たってしまったら、どうしたらよいか。

そのためのプッシュだ。

本当にあなたの方がこのバカ上司より能力が高いのならば、自分の部署や会社の外にいくらでも別のポストやチャンスがあるはずだ。

一つの会社にしがみつく人生ほどみじめなものはない。資本主義の原則は需要がすべて。それが新しい雇用主だろうが、師匠だろうが、クライアントだろうが、カスタマーだろうが、自分の能力を最も高く評価してくれるところへ行くべきだ。

Never sell yourself short.

絶対に自分を安売りするな。

新しい機会を見つけられないのなら、残念ながらそれが今のあなたの価値だ。自分のバカ上司をバカにする前に、自分が社会になめられないよう能力と根拠のある自信を磨くしかない。



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