コロナ前に失業し、返り咲いた。その理由が英語だった。
コロナウイルスがアウトブレークを起こす直前だった。僕は失望の中で退職届を社長秘書に残し、それまで3年勤めていた会社を去りました。
理由は、ちょっとした社内政治の敗北。老練なオヤジたちに包囲網を仕掛けられ、嵌められた訳です。それまで精一杯会社の成長を引っ張って来た自負があるだけに、何もかもが嫌になりました。汚い大人の社会を実感したのです。ジジイどもが信じられなくなったのは言うまでもありません。
グローバル・セールス統括部長。それが僕の最後のタイトルでした。
振り返れば日本でキャリアを積んで8年。ここまで突っ走って来たと思います。
30歳代半ばにしてアメリカから帰国し、日本の企業で初めて正社員として雇われた。手取り16万円の営業見習いから始まりました。
そこから転職すること3度。日系・外資両方の一部上場企業も経験しました。リクルーターにスカウトされる度に年収と役職が倍々ゲームでアップし、ベンチャー企業とはいえ社内で最大の部門の冗長になり、社長の右腕と言われ、年収もそろそろ日本のサラリーマンとして得られる限界に近くなって来ていました。
そこに来てまさかの失業ー
また、それに追い討ちをかけるように、当時はただの名前の付いた新型インフルエンザくらいに思っていたコロナウイルスが世界中に広がり、世界中の欧米企業は雇用を縮小。決まりかけていた再就職先もポジションの新設がキャンセルとなりました。
そしてその後、3ヶ月間新しい仕事の目処が立ちませんでした。
そろそろ自分のサラリーマンとしての運も尽きたのではないかと思いました。
スキルがあれば、それでも陽は昇る
ところが、捨てる神あれば拾う神あり。固定収入は半分になっても良いから、副業で再出発しようかと思い始めていた時、ある会社がオファーを出して来ました。それも前職よりも少しだけ良い年俸で。
そして、この圧倒的不利な状況からピンチをキャリアアップのチャンスに変えられたのは、その企業が、グローバルに展開して来た僕のビジネスの経験とコミュニケーションの能力を評価してくれたからでした。
またしても、英語が僕を助けてくれたのです。
回りくどくなりましたが、企業に雇われる「就職」という道を選択した場合も、英語は強力な武器になるという事をお伝えしたかった。
もちろん、英語力があレバ、世界中を飛び回って仕事が出来るのはいうまでもありません。
英語を母国語同等に使える人間は、日本ではまだまだ稀である。語学の他に少しビジネスの素養、例えば英語で取得したPMPや海外の有名大学のMBAなどがあれば、ドメスティックな一部上場企業の取締役の通訳兼ブレーンとして、入社1、2年目でも億単位のお金を動かすプロジェクトに参加することができましす。通常ならあり得ない事です。
前にも話した通り、英語はビジネス以外でも人生を豊かにして、沢山の経験をもたらし、人間性を広げてくれます。最もリターンがある自己投資の一つです。やらない理由がありません。
ただ、英語を「話せる」というのにもピンからキリまであります。日本語以上に自由に使いこなせて初めて武器になる訳で、中途半端なスキル、例えばTOEICで何点とか(勿論、テストの意義を否定する訳ではありませんが)、それだでは逆に会社に「英語が使わせてもらえるポジション」である事を福利厚生の類にされてしまうだけで、就活という企業との交渉ゲームに使えるカードにはなり得ません。
会社から、「あなたの英語力を当社の為に貸してください」と言われて初めて武器になります。
その為には、これまで日本語が支配して来た脳を英語に完全に乗っ取らせ、「英語脳」を持つ人間になるしかありません。
- 就職難でも、会社から求められるレベルの英語があれば食いっぱぐれることはない
- パンデミックの間もそれは例外ではなかった