社会人になると、運動の趣味があってもなくても、学生の頃よりは運動量が格段に減ります。
30歳を過ぎると体力の衰えを年齢のせいにしたくなりますが、この理由も否定はできません。
仕事で神経を使い疲れ切った日は、運動なんてしたくないでしょう。むしろ、それくらい仕事に没頭しているとも言えます。
肢体の筋肉は疲れていないのに、目と神経が疲れている。体のパワーがなくなっている事に変わりはないので、何かと自分に言い訳をするのが上手くなり、今日も運動をサボってしまう。そういう事が多くなっていないでしょうか。
僕にもその傾向は、ありますが、運動する事のメリットは科学的に証明されています。
アメリカの研究によると、適度な有酸素運動及びストレッチ運動は、パーキンソン病などの脳疾患を軽減する効果があります。特に、運動障害と言われる身体の運動機能に関する障害(嚥下障害、歩行障害、足のすくみなど)に効果があるとの研究結果があります。また同様に、運動は脳の機能を助ける働きがあるという結果も出ています。
また、台湾の台北大学の研究では、有酸素運動の未成年のADHD(注意欠如と多動症)の軽減や、五感で感じた情報と体の運動のつながり、また自信の向上に効果があるという結果が出ています。また、有酸素運動以外に、メディテーション(瞑想)にもそれらの効果が現れました。これは別に子供だけに限定されたことではないはずです(2022)。
運動をしないことのデメリットは、こういったメリットを享受できないだけでなく、体力の低下以外にもデメリットは多くあります。
健康診断での胴囲や体脂肪率の上昇、メタボリックの可能性の増大、それにコレステロールのアップなどによっててきめんに現れます。
そこで、おすすめなのは、年齢に関係なく続けられるストレッチ、メディテーション、テニス、ボクササイズです。
また筋トレもお勧めです。筋肉量はそのまま健康状態を表すというデータもあります。筋肉があるだけでその分新陳代謝がプラスされますので、より多くの美味しいものを食べることができ、脂肪がつきにくくなります。
筋肉を増大させるには一度筋細胞を破壊し、超回復という、元の状態より強い状態までリカバリーさせる必要があります。当然筋肉細胞を壊す負担をかけるということは、体の他の部分を破壊するリスクもあるので、年齢が高くなるほどそのリスクも高まり、筋肉増加も難しくなります。
なので、比較的体がまだ動く60代くらいまでに筋肉をつけておくのは非常に理にかなっていると言えます。
時代が変わり、昔のような男らしい男は時代遅れになりましたが、まだ男性の筋肉が好きな女性は多いです。本能的に、健康なオスを見分けるために、そういった体型を魅力的と感じるようです。
というわけで、サラリーマン、ビジネスマン、社会人にとって、体を鍛えることに利益はあって損はないということがわかります。
同様に、脳や筋肉を休めるため、十分な睡眠も不可欠であることも言うまでもありません。
Reference
Chan, Y.S., Jang, J.T. and Ho, C.S., 2022. Effects of physical exercise on children with attention deficit hyperactivity disorder. Biomedical journal, 45(2), pp.265-270.
Johansson, M.E., Cameron, I.G., Van der Kolk, N.M., de Vries, N.M., Klimars, E., Toni, I., Bloem, B.R. and Helmich, R.C., 2022. Aerobic Exercise Alters Brain Function and Structure in Parkinson’s Disease: A Randomized Controlled Trial. Annals of Neurology, 91(2), pp.203-216.